ガスコンロが点火しない?ガス器具が点火しない問題について原因と対処法を解説

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はじめに

ガスは私たちの生活に欠かせないエネルギー源ですが、同時に適切な管理と注意が必要です。
ガスのトラブルは、小さな不具合から生命を脅かす危険な状況まで、様々な形で発生する可能性があります。

本記事では、一般的なガスのトラブルのなかでもガス器具が点火しない症状に関してピックアップして原因や対処方法についてご説明します。

この記事はガスのトラブルの対処法と予防策を解説を簡潔にしたコラム記事です。
様々なトラブル・原因・対処法について知りたい方はそちらの記事をご確認ください。

ガス器具が点火しない

ガス器具が点火しない問題は、日常生活で頻繁に遭遇する悩みの一つです。この問題には様々な要因が考えられ、適切な対処には原因の正確な特定が重要です。
主な原因として、以下のようなものが挙げられます。

ガス器具が点火しない原因

ガスの供給不足

前項にもかきましたが、ガスメーターの異常やガスの元栓の開け忘れなどにより、ガスが供給されていない可能性があります。ガスメーターや元栓を確認し、エラーや閉じていないか確認してみましょう。

ガス器具の点火装置の電池切れ

多くのガス器具は電池式の点火装置を使用しています。電池の消耗により点火できなくなることがあります。器具を確認し、まずは電池を交換するとよいでしょう。

ガス器具の汚れや目詰まり

日々の使用で蓄積されたごみ、食べこぼしや油汚れが、正常な点火を妨げることがあります。
「チチチ」と音がするし火花も出るけれど点火しないときは、バーナーキャップにずれがあるか、汚れが付着している可能性があります。

例えばガスコンロの場合、五徳を外してバーナーキャップを確認してみてください。
バーナーキャップにほんの小さな水滴が残っているだけで空気とガスの量が正しく調整できず、着火しないこともあります。
汚れは、やわらかい歯ブラシやつまようじで取り除いたあと、台所用中性洗剤で丸洗いします。
ステンレス製のバーナーキャップのお手入れには、ステンレス専用クリーナーがおすすめです。

ガス器具の点火プラグの劣化

長期間の使用により、点火プラグが摩耗したり、カーボンが付着したりして、スパークが弱くなる場合があります。

例えば、ガスコンロの点火プラグは、点火スイッチを押すことでガスバーナー部から出てくるガスに火花を飛ばして火を点ける機能がありますが、ガスコンロの点火プラグの汚れや曲がりが原因で点火しない、火が消えてしまう、炎が安定しなくなってしまうなどの症状の原因になります。

点火プラグの汚れや曲がりを解消するには、次のような方法があります。

  • 点火プラグの汚れは、薄めた台所用中性洗剤を含ませた布やスポンジで拭き取ります。
  • 点火プラグが曲がっている場合は、軽くなるように注意して元の真っすぐな状態に戻します。

ただし、10年近く使用しているガスコンロは他の部品も劣化している可能性があるため、場合によっては本体の交換が必要になります。

ガス器具のセンサー・チャイルドロック・安全装置の作動

ガス器具には様々な安全装置が搭載されています。これらが誤作動したり、地震などの実際の危険を感知して作動したりすることで、点火を妨げる可能性があります。

ガスメーターの遮断

地震などを感知し給湯器のガスメーターが遮断されることがあります。ガスメーターの状態を確認し、遮断されている場合は復帰ボタンを押して復帰作業を行います。

ガスコンロの安全センサーの働き

コンロの上に焼き網を乗せていると2008年10月以降に発売されたすべてのガスコンロに「Siセンサー」と呼ばれる安全センサーが搭載されています。Siセンサーの働きにより、現在のガスコンロでは、火の上に焼き網を乗せての調理はできなくなりました。ガスコンロの上に焼き網を乗せている場合、安全装置が働いて着火しなくなります。

ガスコンロのチャイルドロックの働き

また、お子さまがガスコンロに触り、不意な火災事故が発生する可能性はゼロではありません。家族の安全を守るために、ガスコンロにはチャイルドロック機能が搭載されています。
チャイルドロックがかかっているかどうかを確認してみてください。何らかの拍子にチャイルドロックがかかり、ガスコンロの着火が制限されている可能性が考えられます。

ガスコンロの立ち消え安全装置の働き

ガスコンロの点火プラグの横に、立ち消え安全装置と呼ばれる小さな突起があります。立ち消え安全装置は煮こぼれや風が発生したときに、自動でガスを消す装置です。

立ち消え安全装置が何らかの理由で作動したことが、ガスコンロの火がつかない原因かもしれません。片方のガスコンロだけがつかない場合は、安全装置の作動を疑ってみましょう。

また、立ち消え安全装置が油や水で汚れていると、火が着かなくなります。ブラシや濡らした布巾などで汚れを取り除き、最後にから拭きをして再度火が着くかどうか、確認をしてみてください。

感震センサー

地震を感知すると、自動的にガスを遮断する機能です。 地震による火災や二次災害を防ぐために搭載されています。 コンロの使用中に震度4以上の揺れを感知すると、自動で消火されます。

プロパンガスボンベの残量不足・ガス圧の低下

特にプロパンガスを使用している家庭で多く見られる問題です。
プロパンガスボンベ内のガス残量が一定以下になると、安全装置が作動してガスの供給が自動的に停止します。

ガス圧が低下している場合、正常に点火できないことがあります。他のガス器具も同様の症状を示す場合は、ガス圧の問題が疑われます。
これは、不適切な燃焼や事故を防ぐための重要な機能です。お使いのガス会社に連絡し、供給圧力の確認やガスボンベの交換をお願いしましょう。

ガス配管の問題

建物内のガス配管に凍結やつまりなど問題がある場合、ガスの流れが妨げられ、点火に影響を与えることがあります。

お使いのガス会社に連絡し、配管の点検をお願いしましょう。

器具自体の故障

長年の使用による機械部品の摩耗や電子部品の故障により、点火機能が正常に働かなくなることがあります。
専門業者に依頼し、器具を交換するか修理を行いましょう。

ガス器具が点火しないときの対処法

ガス器具が点火しない場合、安全を最優先に考えながら、以下の手順で対処することをお勧めします。誤った対処法によりガス漏れや火災、怪我の恐れがあるため慎重に行いましょう。
難しい場合は専門家に対応を依頼しましょう。

ガスの供給を確認

まず、ガス栓が完全に開いているかを確認します。
次に、ガスメーターを確認し、正常に作動しているか、また遮断されているか確認します。
遮断されている場合は復帰ボタンを押して復帰させると解決する場合もあります。
復帰をしても点火しない、ガスメーターに異常が見られる場合は、お使いのガス会社に連絡しましょう。

ガス器具の清掃・点検

ガス器具に付着した汚れを丁寧に取り除きます。
清掃する際は、ガスの供給を止め、器具が完全に冷えていることを確認してから行います。食べこぼしや油汚れは、専用のクリーニングブラシや中性洗剤を使用して慎重に除去します。
清掃後は、完全に乾燥させてから使用してください。

バーナーキャップの目詰まりや炎検知部(立消え安全装置)・点火プラグが汚れている場合、汚れはやわらかい歯ブラシやつまようじで取り除いたあと、台所用中性洗剤で丸洗いします。

ガスコンロのバーナーキャップを正しい位置についているか確認をしましょう。

正しい位置に付けるには、次の手順に従います。

  1. バーナーキャップを回して、止まるところに設置し直します。
  2. 点火プラグの位置にあわせて置きます。
  3. 取り付けた後に傾き、浮きなどがないか確認します。
  4. 炎が正しく出ているか点火及び火力調整して確認します。

また、バーナーキャップの目詰まりや炎検知部(立消え安全装置)・点火プラグが汚れている場合も同じ症状が発生することがあります。
汚れは、やわらかい歯ブラシやつまようじで取り除いたあと、台所用中性洗剤で丸洗します。
ステンレス製のバーナーキャップのお手入れには、ステンレス専用クリーナーがおすすめです。

点火プラグの状態確認と電池の確認・交換

点火プラグに汚れや曲がりがないか状態を確認します。

点火プラグの汚れは、薄めた台所用中性洗剤を含ませた布やスポンジで拭き取ります。
点火プラグが曲がっている場合は、軽くなるように注意して元の真っすぐな状態に戻します。

点火プラグに電池を使用している場合は、電池の残量を確認します。電池が弱っている場合は、新しい電池に交換します。電池を交換する際は、プラスとマイナスの向きに注意し、確実に装着してください。また、推奨される電池の種類を使用することが重要です。

ガス器具の取扱説明書の確認し正しく使う

各ガス器具には、製造元が推奨する正しい操作方法があります。取扱説明書を確認し、点火の手順を再確認します。安全装置やロックがかかっている場合の解除方法や、点火ボタンの押し方や押す時間、火力調整レバーの位置など、細かな点にも注意を払います。
説明書に従って点火を試みても成功しない場合は、専門業者に修理か交換を依頼しましょう。

ガス器具の安全装置の確認

ガス器具の安全装置が作動している可能性があります。
安全装置には、例えば過熱防止装置、立ち消え安全装置、感震センサーなどがあります。
これらの装置が作動している場合、取扱説明書に従ってリセットの方法を確認します。
ただし、安全装置が頻繁に作動する場合は、器具の故障や使用環境に問題がある可能性があるため、専門家による点検が必要です。

上記の対処法を試しても点火しない場合は専門家へ相談

上記の対処法を試しても点火しない場合は、自己判断での修理は避け、安全のために専門業者やガス会社に連絡して点検を依頼します。専門家は、原因を特定し、適切な修理や部品交換を行うことができます。
また、ガス漏れなどの潜在的な危険性も同時にチェックしてもらえるため、安全性の観点からも重要です。

ガス器具の点火問題は、単なる不便さだけでなく、爆発やガス漏れ、一酸化中毒などの健康・安全性にも関わる重要な問題です。
日常的なメンテナンスと定期的な専門家による点検を行うことで、多くの問題を未然に防ぐことができます。
また、ガス器具を使用する際は、常に換気に気を配り、異常を感じたらすぐに使用を中止し、専門家に相談することが大切です。安全で効率的なガス器具の使用は、快適な日常生活を送る上で欠かせない要素です。

ガストラブルを防ぎ安全に使うためのポイント

ガス器具の定期的な点検と専門家による保守点検

少なくとも年に1回はガス会社や専門業者による点検を受け、器具の劣化や不具合を早期に発見し、対処することが重要です。
定期的に使用しているガスコンロなどの汚れを落としたり点火プラグのチェックを行いましょう。
ご家庭のなかでもこまめな手入れと定期的な点検を行うことでより安全に利用することができます。

ガス配管周りの整理整頓

ガスの配管に物が接触したり圧力がかかったりすることで、ガス漏れや配管を損傷するリスクが高まります。ガス会社が定期点検しやすくガスメーターの復旧や使用しないときのガスの元栓の開け閉めがスムーズに行えるよう、ガスメーターやガスの配管周囲は常に清潔で障害物のない状態を保ちましょう。

適切な換気の徹底

ガス器具使用時は必ず換気扇を回すか窓を開けるなどして、十分な換気を行います。
これにより、不完全燃焼による一酸化炭素中毒やガスを吸い込んだことによる酸素欠乏症などのリスクを大幅に低減できます。
使用中に気分が悪くなった場合には中止し、匂いのしないところに避難し安静にして過ごしましょう。

就寝前と外出時のガス栓確認習慣化

寝る前や家を出る際には、すべてのガス器具の栓が確実に閉まっているか必ず確認する習慣をつけましょう。この簡単な行動がガス漏れなどの大きな事故を防ぐ鍵となります。

ガス臭への迅速かつ適切な対応

少しでもガス臭を感じたら、すぐに以下の手順を踏みましょう:

  • まず、すべての火を消し、電気製品の使用も直ちに中止します。ガスコンロやファンヒーターなどの火気はもちろん、電気スイッチや照明など、火花を発する可能性のあるものすべての使用を控えます。
  • 窓や扉を大きく開けて徹底的に換気を行います。可能であれば、複数の窓を開けて空気の流れを作り、効率的に室内の空気を入れ替えます。ただし、換気扇の使用は火花発生の危険があるため、専門家の指示がない限り避けましょう。
  • 建物のガスメーターにあるメインのガスコックを確実に閉めます。普段からガスメーターの場所を確認しておき、緊急時にすぐに対応できるようにしておくことが重要です。ガスコックを閉める際は、静電気による火花を防ぐため、金属部分に触れてから操作することをお勧めします。
  • 安全な場所に速やかに避難し、すぐにガス会社の緊急連絡先に状況を詳しく報告し、適切な指示を仰ぎます。避難する際は、エレベーターの使用を避け、階段を使用してください。また、周囲の人々にも危険を知らせ、避難を呼びかけましょう。ガス会社への連絡の際は、自分の名前、住所、現在の状況を落ち着いて正確に伝えることが重要です。

家族全員がガスを安全に使うように確認を

家族全員がガスの安全な使用方法と緊急時の対応手順を理解していることが重要です。
定期的に家族で、ガス器具の点検や安全対策を確認し合いましょう。

ガス漏れに素早く気付くために、ガス漏れ警報器の設置がおすすめ

ガス漏れに早急に対応するために、ガス漏れ警報器の設置も強くお勧めします。これらの装置は、微量のガス漏れでも素早く検知し、警報を発することで、大きな事故を未然に防ぐことができます。警報器は定期的に点検し、電池切れや故障がないことを確認しましょう。

ガス警報器はガス会社やECサイトから自分で購入できますが、ガス警報器には5年間の有効期限があります。有効期限が切れてしまうと検知機能が低下したり誤作動が発生したりして、いざという時に正しく作動しない可能性があります。

ガス警報器の設置場所:
都市ガス用ガス警報器
燃焼器から水平距離8m以内警報器の下端が天井面より15〜30cm以内の位置

プロパンガス用ガス警報器
燃焼器(建築基準法ではガス栓)から水平距離4m以内床面から警報器上端までの高さ30cm以内の位置

ガス警報器を選ぶポイント

購入する際は、「KHKマーク」や「JIAマーク」が付いている製品を選ぶといいでしょう。

KHKマークは、危険物保安技術協会の認可を受け、消防法の定める基準に適合していることを意味します。JIAマークは、日本ガス機器検査協会の検査基準に適合した製品に与えられるマークのことです。

これらのマークが付いている製品は一定の基準をクリアしているため、安全性が高いと考えられます。

ご自宅でガス警報器の有効期限が切れた場合は、報知器が正しく稼働せず検知しない可能性があるため速やかに交換してください。

ガスのトラブルはガス会社か専門家への相談を

ガスのトラブルは、単なる不便さにとどまらず、ガス爆発や火災といった重大な事故につながる可能性があり、極めて危険です。このような事態の重大性を考慮すると、ガスに関する問題を自己判断で処理することは絶対に避けるべきです。たとえ小さな異常や不具合だと感じても、必ず専門のガス会社に連絡し、適切な対応を仰ぐことが重要です。

ガス漏れは、一酸化炭素中毒や爆発事故など、生命に直接関わる危険性をはらんでいます。そのため、ガス漏れの疑いがある場合は、決して慌てず、冷静に行動することが大切です。まずは深呼吸をして落ち着きを取り戻し、本ページで説明した対処法を一つずつ確実に実行してください。そして、速やかに専門のガス会社に連絡を取り、状況を詳しく説明し、その後の指示を仰ぐようにしましょう。専門家の指示に従うことで、自身と周囲の安全を最大限に確保することができます。

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有限会社 山友管理 編集部
この記事を書いた人
有限会社 山友管理

川崎市を中心に、不動産管理の専門家として資産活用をサポート。
宅建士、賃管士、FP、電気工事士の有資格者在籍。
グループ会社に不動産業・建築業もあり、建物の事ならなんでもご相談。

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